呉服屋 若旦那日記

呉服屋・着物業界を語る。
呉服屋 若旦那日記

手縫いかミシン縫いか

しばらく前の話だが、米沢に産地見学に行った時のこと。
ナビゲーターをして頂いた某問屋の社長から、「時間が中途半端なので私の知っている仕立て工場を見に行きませんか」とのお誘いがあった。
聞けば某NC専属の仕立てメーカーらしい。
我々の仕事の範疇から離れて来るが、参考の為知っておいた方がいいと言うわけだ。

中に入ると、ざっと見て十人以上の女性が一生懸命仕事をしていた。
そして約半分以上の仕事スペースにミシンが据えられている。
とは言うものの完全に機械化された仕事というわけではなく、あくまでも部分的に使っているだけらしい。
話を聞くと、ここのメーカーでは「直線はミシンで、それ以外は手縫いで」という方法が主流ということだ。
全て機械によって仕立てられた既製品などは、あまりの雑な仕事ぶりにがっかりさせられることが多いのだが、このやり方だと納期も短くて済むし、手縫いならではの味わいもそれほど損ねることもない。
第一コスト面を考えると、かなり安く済む。
NCでは、このやり方がかなり広がりつつあるようだが、確かに理にかなっていて納得がいく。
無論、ベテランの和裁士による手作業に比べると、そこまでのクオリティは望めないが、高額品の逸品物でない限りは大多数の人はこのレベルで満足されるのではないだろうか?
和裁組合の価格表などを見ると、仕事のクオリティの等価としてこれだけの金額を主張されるということは確かに一理ある、と思う。
が、しかし我々も今ギリギリの状態でやっているわけであって、一時の東京の仕立て組合のような「上代価格の十分の一」などという価格設定はどうかな?と思う。
海外仕立て、直線のみミシン縫い、そしてプロの一級和裁士による手縫い、この三者の間に価格ほどの差がない、というのには問題があるのではないだろうか。
この三者の違い、すみわけ、というのをもっとはっきりさせなければいけないと感じる。
我々ももっと勉強しなければいけないかも知れないが、これは業界全体が問題意識を持つ必要があると思う。



ミシンで着物
タグ:ミシン

十日町産地問屋の自殺

数日前よりネット上で話は聞いていた。
十日町の産地問屋の社長が自殺したとのこと。
厳しい状況の産地ではあり得る話である。
正直「大変だな」と思い、一歩間違えると明日は我が身という不安定なこの業界では誰にでもあり得る話だとも感じた。

とりあえずそこで話は終わっていたのだが、今日うちの店に来た某社の方からその社名を聞いて驚いた。
亡くなったKさんという方は私の知っている人だった。
十数年前のことだが、この方から十日町の産地を案内して頂いたことがある。
その当時Kさんが専門に取引していた日本橋の某社がうちの店と長い付き合いだったということもあって、大変親切にして頂いた思い出がある。
その後、その某社も負債を抱え整理大幅縮小の末、現在では個人企業としてかろうじて存続しているのだが、そんな状況の中Kさんは販路を広げ中堅産地問屋として十日町でもそれなりの地位を築いてた・・はずだった。

話を聞くと取引先の負債をかぶってどうにもならない状況に陥った末の自殺だったらしい。

「でもね、Kさんを自殺に追い込んだ連中は悪いことをしたという意識もなくぬくぬく暮らしているみたいなんですよ」
取引先の方は怒りを込めた口調で吐き捨てるよう言った。

典型的な連鎖倒産・・といったところらしいが、Kさんを追い込んだ連中には罪の意識は毛頭なく、自分のことしか頭にないらしい。

商売うんぬん以前に、モラルの問題である。
こんなことが許される業界じゃKさんは浮かばれない。

決算あれこれ

6月締めの我が社は只今決算処理の真っ最中である。

実際問題、数字を見ると減収減益赤字のスパイラルにはまりこんでしまっているのが現状である。

正直なかなか厳しい。

とは言うものの、果たして自分自身頭をフル回転させて全てのアイデアを振り絞り全力投球して来たか?
と思い起こしてみると、やり残して来たことが山ほどある。

周りを見渡しても、呉服はダメダメと言っている人に限って何にもやっていないような気がする。
人のふり見てわが身を・・という言葉どおり頑張らねばと思う。

というわけで、都美屋も遅まきながらきものファンの為の会を作ってみようかと考えている。
まずは着てもらうことがスタートという意識を徹底させて、あくまでもイベント、旅行、食事会等のための会を作ろうと思う。
販売の為の「友の会」システムは他店でいくらでもあるのだが、まずは「きものを楽しむ」、続いて「都美屋を知ってもらう」ことが目的とするつもりだ。
10月位にちょっとしたイベントを考えているので、それと連動して動き出そうかと考えている。

詳細は、また後日!
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