呉服屋 若旦那日記

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藍染

藍染の藍の色というのは実にいいものである。
ちゃんと伝統的な手作業でたてた藍には、他では出せない独特の味があると思う。
が、しかし藍染には天然染料ならではの弱点がある。
それは「色落ち」することである。
色止めの技術が発達したと言っても、100%色落ちをふせぐことは出来ない。
よく言われることとして、藍染のきものには藍染用の帯と襦袢を用意すること。必ず藍の色が移ってしまうからだ。
そういう意味で、藍染というのは趣味的なものの代表格と言っていいだろう。
訪問着や振袖などあるにはあるが、紋を付けてフォーマルとして着用することはおすすめできないものである。
ところで、さきほどうちの店に来た問屋の方から聞いたことなのだが、それによると天然藍の藍染に対し「色落ちがする」とクレームをつける呉服屋が多くなったということだ。
特にデパートや大型店から来るクレームが多いらしい。
専門店では当たり前の知識なのだが、それを知らずに売りつけている事実にはぞっとする。
天然藍の藍染というのはそもそも色落ちするのが当たり前なのである。それが嫌であれば、最初から買わないか、色落ちのしない化学染料のもので代用するしかない。
それでも藍に魅せられる人は確実に居るし、そういう方でないと天然藍のそれなりの価格の品物はお薦めできないと思う。
趣味的というのは、機能性や合理性とは離れたところにあるものであり、「それでも藍が好き!」と言える人に着ていただくのが一番いい。
この記事へのコメント
若旦那さん、ご無沙汰しております。

藍染め、私は大好きです。特に手拭いは本藍染めを愛用しております。藍は風合いの良さだけでなく、殺菌効果があるとのことで襦袢や肌襦袢にされる方も多いとか。浴衣に藍染めが多いのは、単に色や風合いだけでなく先人の知恵の賜物ですね。
本藍染めは色落ちする事が当たり前と思っていますが、大手百貨店などでも”色落ち”のクレームが出るなんて驚きです。そういう店は特に本藍染めの手拭いなんか扱っちゃあいけませんね。私なんかは新品の藍染めの手拭いは1週間ほど毎日風呂場に持ち込みます。3〜4日くらいは色が出まくります。それから2〜3日で落ち着きますから、それからは普通に洗濯しても他の衣類に色移りしなくなります。
Posted by 中村屋ダン之助 at 2005年11月10日 00:24
今日のお話、面白かったです。
この手の話、沢山聞きたいです。

話は変わりますが、
この前イオンにて
着物を着た老夫婦が
車に乗って買い物に来てました。
とても馴染んでいい雰囲気でした。

今度、若旦那も
着物を着て映画にでも行ってくださいな。

Posted by スガワラ at 2005年11月10日 16:55
若旦那さん、はじめまして。
ボクのお友達が染物職人でして、お祭りの半纏などそこから買っております。
ボクは染物には詳しくないのですが、ジーパンみたいに色落ちするのがまた味わい深くていいような気がしますよ。
品はいいけども値段が高いのでなかなか発注するのも勇気(とお金)がいります( ^ ^ ;
リンクはその友達のうちの染物屋さんのHPです。
伝統を守るということは時として大変なことですが、職人として技術を受け継ぎ、次の世代へ伝えてほしいものですね。
Posted by Yotty at 2005年11月11日 21:18
ダン之助さん>いつもありがとうございます。
藍染の、色が出尽くして落ち着いた感じの色ってのも味のあるものです。
藍の殺菌効果というのは、ほんと先人の知恵ですね。
藍染というのは、調べてみると世界のあちこちで似たようなものが見られます。
例えば、ジーンズのインディゴ染料なんてのも藍ですからね。
人類のDNAに藍染がインプットされていると言っても過言ではないかも知れません。
スガワラさん>まいどです。
イオンで映画ですか。いいかもね。
大都市圏だと、きもので観劇なんてよく聞く話ですからね。
映画によっては「きもの割引」なんてやってもいいかも。
今度、知人の某映画館に話してみましょう!
yottyさん>はじめまして。
ホームページ見ました。
片貝木綿は私も好きです。
うちの店の在庫で、色やけした片貝木綿があったのですが、なんだか色やけした方が味のある色になってしまい「どうしたものかな?」と困惑した覚えがあります。
「藍は生き物」だとよく言われますが、洗ったり着たりすることを繰り返すことによって、段々と微妙に変わってくるのも楽しめると思います。
職人の方々も大変でしょうが、頑張って欲しいものですね。
Posted by 若旦那 at 2005年11月12日 00:53
藍の、時が経つにつれ色が変わっていき、落ち着いたいい色になっていくのが面白いというのに、残念ですね。正倉院に残る藍染めの布、辻が花、茶屋辻、数千年数百年経った今も鮮やかな色をとどめているのは、驚くべきことです。

藍染めの着物を着たときに、白足袋にうっすらと跡がつくと、むしろ、ああ藍だなってなんとなく嬉しくなりますよ。印度藍も、蓼藍も、琉球藍も、それぞれに実に美しく、どうしようもなく心ひかれます。水に通すとまた色が鮮やかに戻って、生き返るよう。木綿や麻の藍染めの着物を洗うのはとても楽しい。晴れた空によく似合いますよね。

人工染料の藍色は発色がよく、鮮やかで綺麗だけれど、植物染料がもつ澄んだ深みのある色にはならないように思う。あの色を着たければ、色落ちは仕方のないものとして受け入れる他ないと思う。それでも着たいから、着る。

昔、藍染めの着物に白地の帯を〆て色が移ったのがショックで、悉皆屋さんになきついたら、生きてるんですから落ちて当然ですよといわれて目からウロコの思いをしました。以来、その帯は藍の着物専用にしてしまい、割り切ることにしました。落ちない藍は藍じゃないときちんと伝えないとね。色落ちのクレームなど、自ら首をしめるようなもの。日本古来の染色技術
が今でも残っているのはほとんど奇跡といってよいのに、大変な苦労をしてつくるものなのに、どんどん廃れていってしまう。なんだかせちがらい世の中です。

Posted by 百福 at 2005年11月12日 21:42
百福さん>いつもありがとうございます。
問屋の方が言うには、色落ちのクレームが増えてきたのはバブル以後らしいです。
高額品なら何でもいいから売ってしまえという風潮が拍車をかけたようです。
落ちない藍は本物じゃないということは、専門店なら誰しも分かっていることなのですが、一部の心無い大型店がこういうことやっていたらダメだと思います。
藍は生き物です。藍の色は時と共に変化しながら生き続けて行くものです。
だから素晴らしいと思うのですが。
Posted by 若旦那 at 2005年11月13日 22:49
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